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劇団青年座第212回公演『UNIQUE NESS』を観劇する〜青年座劇場 [舞台・コンサート]

 
            劇団青年座第212回公演
          Act3D 〜役者企画 夏の咲宴〜
            『 UNIQUE NESS 』
            8月1日〜10日 青年座劇場
 
          作・演出=早川康介(劇団ガバメンツ)
 
 出演=山野史人  ....ディヴィッド・グレイ(ハロルドの親戚のおじさん
    嶋崎伸夫  ....マイク・ウェザレル(ネッシーの写真を撮った男)
    大家仁志  ....ハロルド・グレイ(主人公)
    小豆畑雅一 ....ヒュー・グランズマン(ネス湖でホテルを経営する男)
    高松潤   ....ウォルター・クレイグ(ハンナの婚約者で動物学者)
    津田真澄  ....フローレンスグレイ(ディヴィッドの妻)
    森脇由紀  ....ミセス・マクノートン(グレイ家に仕えるハウスキーパー)
    遠藤好   ...アン・ランズベリー(ハロルドの別れた妻)
    万善香織  ....ケイト・トンプソン(ミス・ネッシーコンテスト優勝者)
    高橋幸子  ....リサ・ブライアント(ハロルドの愛人)
    橘あんり  ....ハンナ・グレイ(ハロルドの義妹)
   
    ギター演奏=福島大
 
【あらすじ】
舞台は1980年代のイギリスロンドン....
20世紀最大のミステリーと言われるネス湖のネッシー
その写真を撮ったと言われている外科医の亡き後、
人々の注目は、撮影に同伴していたもう一人の男....
ハロルド・グレイ(大家仁志)に集まる
時代の寵児となったハロルドだったが、今は病床にいて死期が間近に迫っていた
そんなハロルドの元へ、集まってくる様々な人たち
親戚夫婦、別れた元妻、愛人、友人知人....
ハロルドを中心に、それぞれの人生が明らかとなっていくが....
 
 
久しぶりに劇団青年座の舞台を鑑賞しました。
今回は劇団創立60周年記念公演のひとつとして企画された作品。
演技部に所属する役者さんたちで「こういう作品をやりたい!」という声のもと、
企画された三作品のうちのひとつです。
作・演出は大阪を中心に活動している劇団ガバメンツの早川康介さん。
ネッシーという誰もが知っているミステリアスな題材を元に、
それに翻弄される人々をちょっとシニカルな笑いを織り交ぜながら
悲喜こもごもを描いた作品でした。
単刀直入に言って、すっごく面白かったです!(^皿^)/
変な言い方だけど、主人公が最後まで“嫌なヤツ”なのが、すごく好感が持てました。
ハロルドは本当に嫌なヤツなんだけど、同時にとっても可哀想なキャラクターでもあります。ハロルドのそうした弱い部分であったり、また人として良い部分などがちらっと垣間見える瞬間....そんな演出が素晴らしかったです。
本作は贅沢にもギター演奏による生BGMだったのですが、
福島大さんの奏でるギターの音色が本当に心地良かったです。
本作のサントラが欲しくなりました♪(^皿^)
以下は、各キャストの感想です♪
 
【山野史人さん】
我らがビルボ・バギンズ!でお馴染みの山野史人さん(^皿^)/
もちろん、マーティン・フリーマンの方ではなくイアン・ホルムの方ですよ♪
そんな山野史人さんが演じるは、ハロルドにとって親戚の伯父にあたるディヴィッド
入院中のハロルドを見舞う一方で、実はハロルドの遺産を狙っているという設定
紳士的な佇まい(そして、ちょっと助平♪)がとっても素敵でした
 
【嶋崎伸夫さん】
猟師で、実はネッシーの写真を撮った張本人であるマイク・ウェザレル
オイラは青年座の舞台で嶋崎伸夫さんを拝見するの、今回が初めてかもしれない
たっぷりと生えたあご髭が、雰囲気抜群で声も凄く良かった
ただ、ちょっと台詞が聞きとりづらい場面も正直あったかな....(^皿^;)
ハロルドとロシアンルーレット対決する場面は、なかなかの緊張感でした
 
【大家仁志さん】
本作の主人公、ハロルド・グレイを演じるは、大家仁志さん
大家仁志さんの顔立ちが、大好きなんですよ、オイラは♪
いちラクガキストとして、ものすごく描きたくなるタイプのお顔
あの胡散臭い感じ(もちろん褒め言葉ですよ!)が、とっても大好きなのです
本作の主人公ハロルドは、とっても屈折した心の持ち主
他人を不愉快にさせて、それを喜んでるときの大家さんの表情がたまらなかった♪
他人を困らせる事で、自分の存在感を感じて喜ぶという、とんでもないハロルドですが、
そうすることでしか自分自身の存在感を感じることが出来ないハロルドの切なさを
大家仁志さんが熱演されていました♪
 
【小豆畑雅一さん】
ネス湖の湖畔でホテルを経営する男、ヒュー・グランズマン
ハロルドたちがネッシーの写真を撮ったおかげで、
ネッシー目的の観光客が増え、喜ぶグランズマンでしたが、
その写真の真偽が囁かれはじめ、内心気が気ではない....という役どころです
ヒュー・グランズマンはハロルドの友達を公言していますが、
本心は別のところにあって....という胡散臭いキャラクターであります
そんなヒュー・グランズマンを小豆畑雅一さんが金髪で好演されています♪
見所はやっぱり愛犬と戯れる場面でしょうか?
ここでの小豆畑雅一さんのひとり芝居は爆笑ものなので必見です!(^皿^)
※オイラの個人的な想像だけど、あの場面は毎回やることが違うアドリブなのでは....!?
因みに、オイラが見た回では愛犬と戯れながら、最終的には腕相撲をするという展開に....
こういうバカバカしいの、嫌いじゃないです(笑)

【高松潤さん】
ネッシーの写真をめぐり、ハロルドと激しく対立する動物学者のウォルター・クレイグ
その一方で、ハロルドの義妹ハンナと恋仲という役どころです
今回、色んな場面で災難にあい続けるウォルターを、高松潤さんが好演♪
突然、ビンタされたり、無理矢理ロシアンルーレットに参加させられたりと、
散々な目に遭うウォルター....ご愁傷様でした(^皿^)
 
【津田真澄さん】
グレイ家の遺産を虎視眈々と狙うディヴィッドの妻フローレンスを演じる津田真澄さん
津田真澄さんの声がね、もー大好きなんですよ、オイラは♪(^皿^)
最初はディヴィッド主導で遺産を狙っていると思いきや、実は奥さんの方が熱心だった....!
というオチで、いつの世も逞しいのは女性だと痛感させられます
貧しい生活から抜け出したい一心の、フローレンスの心の叫びが印象的でしたヨ
 
【森脇由紀さん】
グレイ家に長年仕える給仕ミセス・マクノートン
メイドとして優秀なのか?、はたまた役立たずなのか?...そのさじ加減が絶妙であります
その過去も謎に満ちあふれており、とてもミステリアス
こういうキャラクター、大好きです♪
下手をすればとてもマンガちっくになってしまうキャラクターを
森脇由紀さんが、とってもチャーミングに演じられています♪
本作のミス・ユニークネスは、森脇由紀さんで決定!(^皿^)/
 
【遠藤好さん】
ハロルドの別れた妻、アン・ランズベリー
ハロルドと別れた後は、娼婦に身を落としながらも一人娘を懸命に育てる逞しいアンを、
遠藤好さんが力強く演じられています
ハロルドとの仲が幸せだった頃のキャピキャピ感(めっちゃ可愛い好さん♪)と、
その後のすさんだ生活とのギャップを、見事に演じ分ける遠藤好さんが素晴らしいです
 
【万善香織さん】
ミス・ネッシーコンテストで優勝したことで、
その後の人生が大きく変わってしまったケイト・トンプソン
顔全体を包帯で覆って登場する姿は、インパクト大で爆笑モノ(^皿^)
演じる万善香織さんは、オイラの大好きな実力派の役者さんですが、
こうしたエキセントリックなキャラクターを演じさせたら、本当に巧いです♪
本作のベスト名台詞は....
『この季節のテムズ川を甘く見ちゃダメよ!』....です♪
 
【高橋幸子さん】
まずは、この企画を立ち上げてくれた高橋幸子さんに感謝!(^口^)/
オイラは劇団ガバメンツのことも早川康介さんの事もこれまで存じ上げませんでしたが、
本作に触れて、一気に早川康介さんのファンになりました♪
今回のコラボは素晴らしい科学反応を生み出したと思います
 
さて、そんな高橋幸子さんが演じるのは、ハロルドの元愛人リサ
....で、高橋幸子さんがこれまた実に色っぽい女性なのであった
あの艶っぽさが愛人役にぴったり!....とか言うと本人に怒られそうだけど、
あのセクシーさならハロルドじゃなくても恋に落ちるのも致し方ない....と、
妙に納得するオイラなのでありました(....って、単にオイラがスケベなだけか!?)

【橘あんりさん】
ハロルドの義妹で、本作のストーリーテラーでもあるハンナ
憎まれ口を叩き、例え皆に嫌われようとも、そんなハロルドのことを愛してやまない
健気な妹役を、橘あんりさんが好演
エンディングでネッシーについて語り合う兄妹の姿が、とっても感動的でした♪
 
 
タイトル通り、物語もユニークならば、登場人物もユニーク、
何より劇団青年座でこうした作品が見られるのもまた実にユニーク!
....という訳で、是非是非多くの方に見て頂きたい面白いユニークな作品です
8月10日(日)まで公演していますので、暑さをしのぎに
青年座劇場まで足を運んだりするのもいいんじゃないでしょうか?(^皿^)/
 
 
      本作のベスト・アクトレス賞は、森脇由紀さんで♪
      ミセス・マクノートン.jpg
劇中、様々な表情を見せるミセス・マクノートン
中でも、一瞬だけど“五獣の拳”鶴の舞いを見せる場面が、個人的にツボにハマった♪
台詞はなかったけど、きっと彼女ならこう言ったに違いない....
「昔、少林寺拳法をかじったことがあるもので....」 (^皿^)/
   
 
      『トカゲ顔って、言わないで!』
      ケイト・トンプソン.jpg
オープニング、まるで“透明人間”のような出で立ちで登場する万善香織さん
顔全体を覆う包帯にサングラス、そしてトレンチコート....正に透明人間!(笑)
素顔になってからも、喜怒哀楽の激しい演技で楽しませてくれた万善香織さん
劇中では美人でもないのに、ミスコンテストで優勝してしまった....という設定のため、
やれ「ブス!」だの、「トカゲ顔!」だのと、散々な言われっぷりでしたが、
オイラは万善香織さんの“トカゲ顔”が大好きなのである♪
(....って、フォローになってないか....汗)
劇中で着ていた水色のトレンチコートが、おしゃれですっごくかっこ良かった!
 
万善香織さんは、出産、育児を経て、今回久しぶりの舞台復帰とのことでしたが、
これからも応援し続けたい魅力的な役者さんであります!(^皿^)
 

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劇団印象・第19回公演『グローバル ベイビー ファクトリー』を観劇する〜調布市せんがわ劇場 [舞台・コンサート]

 
          劇団印象 -indian elephant- 第19回公演
      グローバル ベイビー ファクトリー』
     2014年 3月26日(水)〜30日(日) 調布市せんがわ劇場
           
              作・演出:鈴木アツト
 
  【出演】
  小山萌子 ....河野砂子
  井口恭子 ....砂子の母親/デサイ(インド人医師
  難波真奈美....権藤宣子(コーディネーター)
  広田豹  ....砂子の父親/柳生(カメラマン
  水谷圭見 ....ナジマ・ヴァクラ(代理母)
  鈴木智久 ....芦田潤一(砂子の夫)
  橘麦   ....チクワハンペン(精子)/砦那智(砂子の親友)
  滝香織  ....河野礁子(砂子の妹)/インディラ(デサイ医師の助手)
  中島由貴 ....スキヤキ(精子)
  山村茉莉乃....クジャク(卵子)/アヌーバ(ナジマの幼い娘)
  今村有希 ....ミソスープ(精子)/エステティシャン/スマン・ヴォーラ(代理母)
  中原瑞紀 ....オニギリ(精子)/アニラ・マクヴァナ(代理母)
  平岩久資 ....マルバニ(ナジマの夫)/実況の男/産婦人科医
  田村往子 ....ルビナ・ラクダワラ(代理母)
 
 【あらすじ】
独身生活を満喫するアラフォーの河野砂子(小山萌子)は、家族からのプレッシャーもあり、お見合いをすることになった。お見合い相手の芦田潤一(鈴木智久)と思いがけず意気投合した砂子は、そのまま潤一と結婚、幸せな新婚生活をおくっていた。
だがある日のこと、妊娠の兆候を感じて産婦人科へと向かった砂子は、その場で子宮頸癌という予期せぬ宣告を受けることになる。幸いにも発見が早かったため、手術は無事に成功したが、子宮を全摘出してしまった砂子は赤ちゃんが産めない身体となってしまった。
子宮を失ってしまったことで、子どものことをより強く欲することになった砂子は、散々考えぬいた挙げ句、代理出産という道を選択する。外国人向けの代理出産を扱うクリニックがインドにあると知った砂子は、一路インドへと向かう....
 
 
代理出産を扱った物語。
現在でも賛否両論ある、この難しい問題をどう舞台化するのか?、非常に興味がありましたが、なかなか見応えのあるドラマとなっていました。デリケートなテーマを、時にシリアスに、時にユーモラスに描く、鈴木アツトさんの脚本・演出が素晴らしかったです。さくさくテンポよく進む物語の展開(場面展開が非常にスマート)も、見ていて心地良かったです。
テーマがテーマだけに、シリアスな場面も多かった訳ですが、その一方でエンターティメント色あふれる場面もバランスよく配置されており、見た目にも楽しい舞台となっていました。このあたりのバランス感覚が絶妙でした。
 
個人的には、代理出産というものに対して非常に否定的な立場ですが、そんなオイラでも主人公・砂子には素直に感情移入出来ました。当事者にならなければわからないこともあるだろうし、なにより男性と女性とでは、出産に対する思いもまた大いに違うんだろうなあということを、強く感じながらの観劇となりました。決して特定の価値観を押しつけるような物語になっておらず、様々な人のそれぞれの視点をきちんと描いていた点も素晴らしかったです。
 
主人公の砂子を演じた小山萌子さんを始め、芸達者な役者陣たちも魅力的でした。
圧倒的に女性陣の役者が多い中、男性陣の役者さんたちの好演が光ります。
カメラマン柳生を演じた広田豹さんの胡散臭い感じは最高、
ナジマの夫を演じた平岩久資さんの、ダメさ加減が絶妙、
そして、砂子の夫・潤一を演じる鈴木智久さんの好人物ぶりが実に爽やかでした。
 
見終わった後「この作品、高校とか教育の場で公演したらいいのに!」と感じました。
決して性教育を扱った物語ではないけれど、今の若い世代の子たちに見て欲しいなと、なんとなく感じた次第です。
久しぶりに良い作品に巡り会えたなと感じた、
劇団印象の舞台『グローバル ベイビー ファクトリー』でありました。
 
 
     『さあ、外界(そと)の世界へ、飛び出そう!』
     精子くん.jpg
 オープニングから登場し、その後も物語の随所で登場する精子たち4人(匹!?)
 卵子も登場しますが、そちらは仏像っぽかったかな?(^皿^)
 衣装も可愛かったけど、何より可笑しかったのは精子同士で“死”について語り合う場面
  
  「オレ、外の世界に出たら“死んじゃう”よ!」
  「いや、オレたち“死なない”よ」
  「....なんで!?」
  「だってオレたち、“生きてない”から、ただのタンパク質だから!」
  「そっかー、それを聞いて安心したー(^皿^)/」
  「さあ、外の世界に飛び出そう!」
  
精子くんたちが、ティッシュうんぬんの話をするところがありますが、それを聞きながら何となく申し訳ない気持ちになったオイラなのでありました(^皿^;)>....カタジケナイ
  

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青年座セレクション Vol.5『夜明けに消えた』を観劇する〜2013/10/20 [舞台・コンサート]

  
     青年座セレクション Vol.5『夜明けに消えた』
          作:矢代静一  演出:須藤黄英
 
 【出演】
  ノッポ      ....豊田茂
  熊        ....石井淳
  弱虫       ....須田祐介
  けち       ....有馬夕貴
  ひばり      ....香椎凛
  ぐず       ....田上唯
  オリーブ山の老婆 ....五味多恵子
 
  友人の男     ....井上智之
  モデルの男    ....和田裕太
  中年の女     ....片岡富枝
  助教授      ....佐藤祐四
  バアのママ    ....大須賀裕子
  バアのホステス  ....橘あんり
 
【あらすじ】
人気だった服飾研究家の男が失踪して、かなりの年月が経ったある日の事。
友人だった男の元に、その服飾研究家から荷物が届いた。
中にはその男が書いたと見られる戯曲が収められていた....
 
〜舞台は大昔のエルサレム、イエス・キリストが十字架にはりつけにされた直後の物語
  神をののしる男・ノッポ
  神を信仰する女・ぐず
  神に憧れる奴隷の男・熊
  神のことをしらない娼婦・ひばり
  神を利用する姉弟・けち(姉)と弱虫(弟)
 
裕福な家の娘である女“ぐず”を言葉巧みに誘拐して、身代金をせしめようと画策する“けち”と“弱虫”。その計画に加担する“ノッポ”と“ひばり”。神のお告げと思わせてアジトである洞窟までぐずを誘い込むことに成功したけちと弱虫だったが、思わぬ誤算が生じてしまう。ぐずは「洞窟で出会った男と結婚するように」と神のお告げを聞いたという。洞窟には、弱虫、ノッポ、そしてぐずを見かけて後をつけて来た奴隷の男“熊”の3人がいる。ぐずはその中からノッポを選択し、結婚すると宣言する。
だが、神のことをまったく信用していないノッポは、それを頑なに拒否するが....
 
かつての級友“ノッポ”が書いたと思われる戯曲を読み解きながら、
友人の男は失踪した服飾評論家の行方をさぐろうと試みる....
 
  
 
【宗教・信仰を扱った物語なのであります】
物語は、服飾研究家の行方を追う男の独白よりスタートします。そこから服飾研究家が書いたという戯曲の世界へと突入。割合でいうと劇中劇である戯曲パートと現代パートが7:3くらいの比重で構成されており、戯曲の世界を描きながら、途中途中で現代部分が描かれるという形になっていました。
戯曲の物語をものすごくざっくり説明すると、神を信じていなかったノッポが、紆余曲折を経てキリスト教に目覚める....というものでした。戯曲の世界でノッポの身に起こる出来事が、現実世界でノッポの身に起きた出来事とリンクしており、劇中劇を見ながら我々観客はノッポの身に何が起きたのか?について想像を馳せることになります。
確かに、古代エルサレムを舞台にした劇中劇の世界で展開されるドラマは、なかなか見応えがありましたが、見方によってはキリスト教の素晴らしさを伝導しているようにも見え、それが舞台の世界にのめり込めない要素のひとつとなってしまいました。
 
....だって、オイラ“宗教”って信じてないですから(^皿^;)
 
宗教の存在それ自体は別に否定はしませんし、それを信仰する方々に対しても特に偏見がある訳ではありません。だけど、宗教の持つ負の側面を信じて疑わないオイラからすれば、ノッポの身に起こる感情の変遷に対して素直に受け入れられない感覚が正直ありました。もし、それを受け入れちゃうと、自身の中でもキリスト教の素晴らしさを認めちゃうことにもなりかねないから。
だから、どうしても自身の中でブレーキをかけてしまう感は否めませんでした。
 
作の矢代静一さんは、この物語を書いた後、改宗されたとのこと。
この戯曲で描かれるノッポに、矢代静一さん自身の姿が投影されていることは明白です。
元々、この物語の結末はまったく正反対の形で終わる予定だったそうですが、物語を書き進めていく内に、矢代静一さん自身がキリスト教に目覚めてしまったことで、現在のような形に落ち着いた模様です。これは言うなれば、“ミイラ取りがミイラになった”ことであり、またそのおかげで描けた物語とも言えます。だからこそ、ノッポの変遷はドラマチックで、その点に関しては間違いなく感動的です。
ただ、やはりそれ自体をそのまま受け止めるという形にはなりませんでした。
 
 
神の存在や宗教の信仰については、とりあえず横に置いといて....
純粋に舞台作品として見た時、なんだか非常にアンバランスな印象を受けました。
演出を手がけられた須藤黄英さんはパンフレット内のコメントでこの作品の第一印象を“未整理な私戯曲”と指摘されていましたが、オイラも似たような印象を受けました。なぜ服飾研究家が戯曲を書くのか!?....という素朴な疑問から始まり、なぜ自身の身に起きたことを日記などではなく、戯曲というまわりくどい方法に置き換えて、しかもそれを友人に送ったのか?、そうした疑問は一切解明されないまま物語は幕を閉じます。この物語は行方不明となった服飾研究家の行方を追う形で幕を開けるのに、結局大したことはわからないまま幕を閉じることに、ものすごいフラストレーションを感じてしまいました。戯曲パートで描かれるキリスト教の素晴らしさに目覚めるノッポの姿はそれなりに感動的ではありましたが、それより現代パートのノッポはいったい何をしたかったのか?と、そっちの方が気になって仕方がなく、モヤモヤしたものを感じながら観劇を終えました。
〈大山鳴動して、鼠一匹〉
....という言葉がありますが、正にそんな印象を受けた作品でした。
ものすごく大風呂敷を広げて壮大なドラマが繰り広げられたけど、結局ノッポの消息はわからず終いで、その目的も不明と、なんとも煙に撒かれたようなモヤモヤ感だけがあとに残った作品でした。
そもそも、この現代パート部分が後からとって付けたような印象が強く、極論すれば別に必要なかったようにも感じました。仮にあったとしても、友人の男の語りだけでも充分だったようにも思います。
 
 やあ、お久しぶり、ノッポです
 人生いろいろあったんですが、キリスト教に改宗して、今はエルサレムにいます
 もし、エルサレムに遊びに来ることがあれば、是非立ち寄ってね
 では、また!
 
戯曲なんて送らずに、この便せん一枚で済む話かと....(汗)
....とまあ、それは冗談ですが(^皿^;)。

 
【役者陣について】
さて、役者陣はなかなか素敵なメンバーが揃っていました。
 
まず、キーパーソンであるノッポを演じられたのが、豊田茂さん。
世の中の出来事を斜めに見ているヒネクレ者・ノッポを好演されていました。
でも、髪の色は別に金髪でなくても良かったかな?。
登場時のノッポが正にオイラと同じスタンスであり、それだけにキャラクターとして親近感があった訳ですが、改宗してしまった事で、逆に親近感が遠のいた結果に、皮肉を感じてしまいました。
 
大きい身体で存在感抜群だったのが、熊を演じられた石井淳さん。
背の高さとたくわえられた立派な髭、それと凝った衣装のおかげでまさに熊(クマ)という名称にふさわしい風貌でした。ただ、個人的にはもう少し汚い感じでも良かったかな?と感じました。手に巻いた包帯が、奴隷にしては整いすぎでしたね。神を信奉していた熊は、その後ぐずに裏切られ、神への信仰を失ってしまいます。神を信じていないオイラからすれば後半の熊の方に断然感情移入しそうなものですが、何故かキャラクターとして魅力的だったのは、前半部分の盲目的に神を信じている奴隷バージョンの方でした。これまた皮肉な結果となり、個人的には複雑な気分....むむっ(汗)。
 
神を信仰する無垢な若き女性ぐずを演じられたのが、田上唯さん。
純粋に神を信じ続ける女性を好演し、後半では、その小柄な身体からは想像出来ないような熱演を見せて、素晴らしかったです。
 
天真爛漫な娼婦ひばりを演じられたのが、香椎凛さん。
実は今作で一番魅力的に感じたキャラクターでした。台詞の最後にいつも「....違うかな?」と自問自答するしぐさがとってもキュートだったひばり。香椎凛さんご自身の可愛さとも相まって、ものすごくチャーミングな人物となっていました。ただ惜しかったのは、娼婦としての側面がやや表現不足だったこと。現代の娼婦とは若干ニュアンスが違うとは思いますが、娼婦が背負っている悲哀の部分がもう少し垣間見えたら、完璧だったのに!と悔やまれました。でも、クライマックスの熱演といい、香椎凛さんはホント素敵な女優さんでした。これからの活躍が気になる存在になりました。
 
ちょっと残念だったのが、けちを演じられた有馬夕貴さんと弱虫の須田祐介さんのお二人。
まず、有馬夕貴さんは身振り手振りが不自然で、それがすごく気になりました。台詞と動きがあってない感じで、なんていうか、動きが感情から自然と沸き上がるものではなく、最初からそれありきな印象を受けました。強欲で尚かつしたたかな側面も、もう少し表現出来ていたらもっと魅力的なキャラクターになったのにと、ちょっと残念でした。
須田祐介さんも、弱虫というキャラクターをもう少し前面に押し出しても良かったように思いました。そうした方が後半で見せる策略家の顔がより引き立ったように思います。
お二人に共通して感じたことは、古代エルサレムに生きる人間の空気感を感じられなかったこと。
舞台の冒頭、友人の男の語りから始まり、舞台は現代から劇中劇である古代エルサレムの世界へと一気に突入します。そこで有馬さんと須田さんが登場する訳ですが、しばらくは古代エルサレムの世界や空気感が感じられず残念でした。これを表現するためにはおそらくベテランの役者さんでも相当難しいこととは思いますが、物語の大事な導入部分でもあり、もうちょっとお二人には頑張って欲しかったです。
 
現代場面で一気に場を作ったのが、オイラの大好きな片岡富枝さん(^皿^)♪。
吹き替えにはいろんな声のジャンルがありますが、その中でも“おばさん声”といえば、ご存知この方!という位置づけの大好きな片岡富枝さん。今作ではノッポの家で働いていた家政婦という、あまりにもハマりすぎのキャラクターで登場。登場するなり、その持ち前のパフォーマンスで会場の空気を一気に作って引き込むあたりはさすがベテランの領域!。たったワンシーンの登場でしたが、片岡富枝さんのパフォーマンスを見られただけでも、この舞台を観劇した甲斐がありました。
 
 
【舞台の造りが、ユニーク!....でも!?】
スタジオ内に入って、思わず驚きました。
今回の舞台はすごくユニークな造りで、観客席が左右に別れており、その観客席に挟まれる形でステージがありました。例えるなら、ファッションショーのような感じとでもいいましょうか。以前、青山円形劇場でステージをぐるりと取り囲んだスタイルの舞台は見たことがありますが、今回のようなスタイルは初めての経験で、鑑賞する前からちょっとワクワクしてしまいました。
でも....始まってすぐ構造的欠陥に気がついた(^皿^;)
それは、ステージを通して、反対側の観客席が目に入ってしまうこと!。
舞台上で役者陣が熱演していると、つい観客の反応が気になって役者陣のその向こうに見える観客席へと目がいってしまうのです。それは何故か?....何故なら観客の反応は文字通り“リアル”だからです。舞台上で起こっていることは基本的に作り物です。でも、舞台上の世界に没頭出来るからこそ、その世界を信じられ、またリアルを感じることが出来ます。でも、今回のような舞台の構造だと舞台上の“作られたリアル”の向こう側に、“作られていないリアル”が存在しています。そして当然の如く、作られたリアルよりも、作られていないリアルの方が断然面白い訳で、どうしてもついついそちらに目が行きがちになってしまいました。その度「....はっ!?、いかんいかん!、舞台の世界に集中しなければ!」と思うことがしばしばでした。
それと舞台の構造上いわゆる一般的な上手と下手が存在しないため、役者陣の背中を見ながら台詞を聞くケースや思いっきり役者同士がカブるケースもありました。まあ、視点を変えれば、それはリアルな風景とも受け止められますが、一番キツかったのはオイラの大好きな片岡富枝さんの出演シーンで、片岡富枝さんが友人の男を演じられた井上智之さんとカブって、そのお芝居がよく見られなかったこと!。「家政婦は見た!」ばりの片岡富枝さんのパフォーマンスがよく見えなくて、それがとっても残念でした(^皿^;)。
それとこれも構造上の問題ですが、完全に暗転する場面がなく、場面を終えられた役者陣が薄暗い舞台上で小道具を持ちながらハケる姿がうっすらと見えるのには、ちょっと興醒めでした。
 
 
神や信仰を取り扱った物語、個性的な舞台の造り、とかなり冒険心に溢れた作品だった舞台「夜明けに消えた」。宗教を信じていないオイラとしては、なかなかハードルの高い作品となりました。でも、ぐずの言った台詞「自分の殻を作っては壊すという作業を何度もするくらいなら、最初から殻を作らないで人生をおくった方が、有益ではないでしょうか?」という言葉には、グッとくるものがありました。....まあ、それが出来れば苦労はしないんですけどね(苦笑)。悟りを開くにはまだまだ人生の修行が足りないなと感じた舞台「夜明けに消えた」でした。
 
 
     『....違うかな?』
     香椎凛(ひばり).jpg
     娼婦ひばりを演じられた香椎凛さんが、とってもチャーミングでした♪
  

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劇団ハートランド第十六回公演「バリカンとダイヤ」を観劇する [舞台・コンサート]

さてさて、9月二本目に観劇した舞台は、劇団ハートランドの作品「バリカンダイヤ」。
劇団ハートランドの作品を鑑賞するのは、今回で3回目。過去2作品がどれも面白かったので、今回も俄然期待が高まります。非常に楽しみにしていた舞台です!(^皿^)/。
 
  【劇団ハートランド 第十六回公演】
    『バリカンとダイヤ』
 
 作/演出:中島敦彦
   出演:馬場奈津美、矢野陽子、大西多摩恵、田岡美也子、福島まり子、
      小林美江、梶原茉莉、保谷果菜子、伊藤亜沙美、槌谷絵図芽
 
【あらすじ】
石田家の主が亡くなって早数日。妻の智恵子(大西多摩恵)は義姉・多恵子(矢野陽子)の協力もあって無事葬儀を済ませ、ちょっとした安堵を感じていた。が同時に、ここ数日は心にポッカリとしたものを感じながら過ごす日々。そんな彼女のことを心配してちょくちょく顔を出す近所の主婦・フジ子(田岡美也子)に励まされるが、心の隙間は埋まることがない。離婚したばかりの長女・智子(小林美江)、キャリアウーマンの次女・恵子(福島まり子)、そして5年前に実家を出てひとり暮らし中の三女・潤子(馬場奈津美)ら3人姉妹も、そんな母親のことを心配して実家に集まってくる。やがて、妻の知らなかった夫の秘密が赤裸々になるのと時を同じくして、それぞれの娘たちが抱える問題も表面化し始める。
智恵子はそれらに翻弄されることになるのだが....。
 
 
....いやー、面白かった!(^皿^)/
さすが劇団ハートランド、今回も期待を裏切りませんでした。
過去に見た2作「ギラギラの月」「発進、オーライ!」も面白い作品でしたが、今作はそれを上回る内容で大満足な内容でした。セットの配置もコンパクトながら、無駄のない配置で「巧いな」と感じました。
とにかく中島敦彦さんの脚本(ほん)が素晴らしかった!。どこにでもある普通の家庭に巻き起こる騒動を、笑いあり涙ありの盛りだくさんの内容で見せてくれました。オイラはこうした市井の人々を描いたホームドラマが大好きなので、最初から最後まで大いに楽しみながら観劇することが出来ました。
中島敦彦さんが向田邦子的作品を目指して書かれたという今作品。
向田作品にひけをとらない素晴らしい作品に仕上がったと個人的に思います。
 
【大西多摩恵】
主人公・智恵子を演じるは、大西多摩恵さん。
実際智恵子のような境遇の人は、世の中に多いんじゃないだろうか?。ひと世代前のいわゆる夫に尽くして生きてきたような女性。そんな智恵子を大西さんは見事に演じられていました。近所の主婦・フジ子に対して思わず放った言葉「あなたのこと、友達と思ったことないの〜!」には、爆笑させられました(^皿^)。エンディング、夫が残してくれた愛情に溢れた手紙に感動して涙しつつ、同封された貯金通帳の額を思わず数えてしまう、そんな人間臭い描写がたまらなくて大好きッ!。
 
【小林美江】
長女・智子を演じるは、小林美江さん。
シングル・マザーとして思春期の娘の子育てに奮闘する母親としての姿と、新しい恋にときめくひとりの女性としての姿の狭間で葛藤する智恵子を好演。
 
【福島まり子】
次女・恵子を演じるは、福島まり子さん。
キャリアウーマンとして成功した一方で、会社の経営がうまくいかず四苦八苦する恵子。前作「発車、オーライ!」でバイタリティ溢れる関西女性を元気いっぱいに演じていた福島まり子さんが、今作では一転クールなキャリアウーマンである次女を好演。
 
【馬場奈津美】
三女・潤子を演じるは、馬場奈津美さん。
地味な外見の(失礼ッ!)馬場さんにピッタリのキャラクターの三女。多少楽屋オチな感は否めなかったけど、それでも気にならないのは馬場さんの人柄によるものだろう。
あー、同居してたおじさん(演出家)の容姿が気になるッ!(^皿^;)
    
【矢野陽子】
主人公・智恵子の義姉・多恵子を演じる矢野陽子さん。
「あー、こういうおばさんいるいる!」的な演技が素晴らしい。下手をすると嫌みなキャラになりかねない多恵子という人物を、とても可愛らしく演じていらっしゃいました。「嫁ぎ先での居場所がない」と、弱音をポツリと漏らす場面がとても切なかったです。余談ですが、オイラは九州の長崎出身なので、彼女の話す宮崎弁にはすごく親近感を感じながら作品を見る事が出来ました。
   
【田岡美也子】
主人公・智恵子のことを何かと世話する主婦・フジ子を演じる田岡美也子さん。
「もー、絶対アテ書きだな!」と思わせるキャラクターで、バイタリティー溢れるキャラクターの存在感は群を抜いてピカイチ!。智恵子に「あなたのこと、友達と思ったことがないの〜!」と衝撃告白をされても、「やっと本音で語れるようになったわね、これからが始まりよ!」と、あくまでもポジティブシンキングな場面には、笑いながらもちょっと感動してしまました(^皿^)。
    
【保谷果菜子】
石田家の主が通っていたマッサージ店で働く中国人を演じる保谷果菜子さん。
最初は「いわゆるいかがわしいマッサージ店で働く女性なのかな?」と思わせて、実は違うということがわかり、俄然愛らしくなってくるキャラクター・林(リン)を保谷果菜子さんが好演。カタコト日本語に加え、昔の工藤静香を思わせるくるるんモミアゲ姿が愛らしい♪。石田家の娘たちとケンカになる場面では、突然台詞が「ナニスルカー、ブレイモノー!」と時代劇調になるのが面白かったッス(^皿^)。
 
【梶原茉莉】
フジ子が連れてくる化粧品セールスレディを演じる梶原恵里さん。
お決まりのフレーズ「貴女とのご縁を大切にする....」という台詞が可笑しくてたまらなかった。

【伊藤亜沙美】
謎の新興宗教に所属する江木俊子を演じる伊藤亜沙美さん。
就職活動をしている女子大生のような地味な服装に、首からぶら下げている小瓶(ネックレスにするには大きすぎ!)が、なんとも可笑しい。伊藤亜沙美さんは過去作品でも面白いキャラクターを演じられていて、個人的にはすごく記憶に残る役者さんだったのですが、今作でも実にユニークなキャラクターを演じられていました。オドオドした姿で登場したのも束の間、自身が所属する宗教団体の歌を歌う場面では一転、満面の笑みで力強い歌声を披露。このギャップがたまらなく好き!。終演後、ちょっとお会いする機会があったので「伊藤さんのお芝居、最高でした!」と声をかけたら「顔芸です、すみませんッ!」と謙遜されていました。いやいや、なかなか素敵な顔芸でしたよ。
 
【槌谷絵図芽】
石田家長女・智子のひとり娘を演じる槌谷絵図芽さん。
ハートランドの過去作ではボーイッシュなキャラを演じられていた槌谷さんですが、今作では思春期を迎えた女子中学生を好演されていました。もともと童顔の彼女なので、制服姿が実にぴったり!。「あと5年は中学生役が出来るネ!」と言ったら、苦笑いしていました(^皿^)。
 
 
基本、舞台作品は一度しか見に行きませんが(主に経済的理由で)、今作「バリカンとダイヤ」はもう一回観たい!と思わせてくれる素晴らしい舞台でした。「是非、再演をッ!」と、つよく願わずにはいられない「バリカンとダイヤ」でありました(^皿^)V。
これからも劇団ハートランドからは目が離せません。来年の作品も、楽しみだ〜!(^U^)♪
  
  
オイラのお気に入り、伊藤亜沙美さん
いとうあさみさん.jpg 
オドオドしながら八の字眉で口を尖らせて入場してくる登場場面でもうすでにかなり笑えるのだけど、一転自身の所属する宗教団体の話になるととたんに饒舌になる変化ぶりがたまらない。後半の方で、この伊藤さん演じる江木、梶原さん演じるセールスレディ、保谷さん演じるマッサージ師ら面識のない3人が石田家で鉢合わせになる場面があるのですが、あの居心地の悪さ感といったらなかった。台詞に頼らず空気感だけで笑わせる中島脚本、最高。
ああいうのがコメディだよなあ(^皿^)。
 
ところで、劇団の主催者である高橋亜矢子さんが今作には出演されていなかったので、何でだろう?と思っていたら、なんと高橋さん今年始めにお子さんを出産されていたとのこと!。僭越ながらおめでとうございまっす!(^口^)/
  

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激弾BKYU公演「世界一不幸な男」を観劇する [舞台・コンサート]

まだまだ残暑が厳しい今日この頃ですが、一応季節は秋。
そんな“芸術の秋”という訳で、9月は3本も舞台観劇をしてまいりました。
1本目は、22ヶ月ぶりの本公演という激弾BKYUの作品「世界一不幸な男」です。
 
【激弾BKYU お待ちいただいてアリガトー公演】
    『世界一不幸な男』
     〜A Fantasy of the Calamity〜
 
 作:演出....サカイハルト
   出演....酒井晴人、東野醒子、小林博、有友正隆、
      大高健二、影山晃子、蔵重美恵、今村有希

【あらすじ】 
タダシはこれまで懸命に人生を生きてきた。環境的に決して恵まれていた訳ではない。それでも彼は精一杯生きてきた。だが、それもあの日の大震災で全てを奪われてしまった。もはや、彼には生きる気力さえも残っていなかった。そんなタダシの前に現れた謎の3人組。彼が再び生きる活力を得るためにと奔走する3人。果たして彼らはいったい何者なのか?、そして、タダシは再び希望を取り戻せるのだろうか?。
 
 
これまで激弾BKYUの作品はいくつか見てきましたが、個人的には当たりハズレが多い劇団です。それ故に、今回も舞台の幕が開くまでは非常に不安な心持ちでいた訳ですが、結論からいうと今作はまずまずの内容でした。基本はファンタジーコメディなのですが、琴線に触れる部分も多く、劇場内は何度も涙に包まれていました。もちろん、オイラもいくつかの場面で涙しましたが、その一方で客観的に物語を見た時、感傷的な場面の割合がやや多すぎるようにも感じました。泣くという行為そのものは確かに生理的に気持ちがいいものだけど、あまりに次から次へとそうした場面が続くと、食傷気味になるのもまた事実。やっぱりコメディのセオリー通り、笑わせて、笑わせて、最後にドンと泣かすというのが理想的。少なくとも、泣きの部分が笑いやシリアスな部分よりも割合が多くなったらダメってことですね。そんなことを感じさせられた作品でした。
 
それと気になったのが、主軸が誰なのか?ってことです。
タダシなのか?、それとも彼を助けようとしている3人組なのか?。
それによって、この物語の結末に関し、ちょっと納得いかない点があったのです。
オイラはタダシのモノローグで作品がスタートしたので、あくまでも主軸はタダシなのだろうという視点で物語を見ていました。だから、彼が最初から最後まで自分の内なる世界に存在する者(物!?)との対話で終わってしまったことに消化不良を覚えました。タダシが自分の殻を破り、新しい人生に向かって一歩踏み出すその象徴として、自分とは縁もゆかりもない第三者とのコミュニケーションを最後に描いて欲しかった。
 
例えば、エンディングでタダシが公衆電話から電話をかけようとしてお金がなく、結果観客からお金を借りるというくだりがあります。いわゆる“客いじり”は激弾BKYU的でもあり、小劇場ならではの面白さがありましたが、一方あの場面で通りすがりの人(例えば今村さんとか。もちろん本編とは別役で)にお金を借りるというのを描いても面白かったかもしれません。とにかく、タダシにとって“新しい出会い”というものを描いて、物語をしめて欲しかったです。
余談ですが、オープニングのタダシのモノローグはまったく必要なかった。ああした主人公の背景とかは独白で説明するより、物語を進行させながら判明させていくべきこと。最初から「私にはコレコレこういうことがあったので不幸です」と、説明させてもまったく感情移入出来ません。モノローグはとても便利な演出方法ですが、一歩間違うと説明過多になってしまうので注意が必要です。
 

そんなことを出演者のひとりと話したりした今作でありました。
物語はともかく、相変わらずBKYUの役者陣は個性的かつ魅力的で、
その点に関してはすごく楽しめました。
弾長サカイハルトさんと小林博さんとのかけあいは、相変わらず面白くて見ていて楽しい部分です。会話のやりとりがあまりにナチュラルすぎて、それが芝居なのか素なのか判別出来ないほど、ふたりの息はぴったりでした。
有友正隆さんは、今回も威勢のいいキャラクターが実にハマり役で魅力的。
蔵重美恵さんが白塗りで出てきたときはビックリしたけど、あのギョロギョロ動く目が白塗り効果でより強調されていて爆笑させられました。お得意の歌も披露されてサービス満点。
BKYUと言えば、東野醒子さんによる長台詞が必ずあって、オイラはそれが個人的にとても苦手なのですが、今作ではそれが割と短めだったのでホッとひと安心。ただ、母親として優しい部分だけでなく、厳しい部分も見せて欲しかった。優しく接するだけが親じゃないと思う。子供のことを本当に思うんだったら、時には心を鬼にして厳しく接する....そういう部分もサカイさんには描いて欲しかった。
今作で一番グッときたのは、影山晃子さんも出ていたツナミ(有友)とサザナミ(蔵重)が出てくる場面。あそこでの一連のやりとりはオイラも個人的に感じていたこととリンクして、共感を覚えた部分でした。
今村有希さんはBKYUのアイドル(!?)らしく、今回も可愛いキャラを熱演。
 
ひとつだけ気になったのは大高健二さん。バカボンパパ似でお馴染みの大高さんですが、今作でのキャラは過去に大高さんが演じられたキャラクターとすごく似通っていて(ウジウジした仕草とか)、それがちょっと残念でした。弾長サカイハルトさんがアテ書きされてると思うし、ああいったキャラクターは大高さんも得意とされるところなのでしょうが、もっと普通な感じでも良かったような気がしました。
そこでふと感じたのが、大高健二さんと小林博さんのキャラクターは逆でも良かったのでは!?ということ。チラシにも書いてあったように、主人公がチビ・ハゲ・デブというビジュアルで苦労してきたというのは、ちょっと短絡的で薄っぺらな設定にも思えます。むしろ普通のビジュアルで普通に生きてきた地味な人が不幸な目にあって人生に絶望している....という設定の方が、かえって主人公に対して感情移入出来たように思います。
 
 
物語としてはやや消化不良な感は否めませんでしたが、役者陣による熱はすごく感じた舞台「世界一不幸な男」でありました。個人的には過去作「HELP ME!」を越える作品を早く観てみたい激弾BKYUです(^皿^)/。
 
 
    主人公タダシの彼女役で登場する今村有希さん。
    タダシにはあまりにも不釣り合いとも思える彼女の正体は....
    な、なんと「ラースと、その彼女」だった!?(^皿^;)
    ユッキー.jpg
  

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....イメージとしては、こっちかな!?(^皿^)
  

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青年座セレクション Vol.3「ほととぎす・ほととぎす」を観劇する [舞台・コンサート]

久しぶりに、劇団青年座の舞台を観劇。
今回の舞台は過去に上演された作品の中から抜粋したものを再演する、青年座セレクションシリーズの第3回目。徳富蘆花作の小説「不如帰(ほととぎす)」を軸に、小説の元になったという家族と、その小説の劇中劇とが交差する人間模様が描かれます。
 
青年座セレクション Vol.3「ほととぎす・ほととぎす」
 作:宮本研
演出:須藤黄英
出演:山野史人、高松潤、片岡富枝、魏涼子、野々村のん、黒崎照、高橋幸子
【あらすじ】
時は明治時代。男女の悲恋を描いた小説「不如帰」が大ヒットし、それが舞台化されることとなった。モデルとなった軍人の片岡中将一家の心中は穏やかではない。何故なら小説の物語は、現実での出来事をかなり脚色した物語となっていたからだ。だが、好奇心も手伝って一家は舞台を観に行くことになった。舞台で繰り広げられるフィクションの世界を大いに楽しんだ片岡中将一家であったが、現実の世界では隠されたある計画が、着々と進行しつつあった....。
青年座のブログにて、舞台上の画像が公開されています♪)
 
 
小説「不如帰」は、不治の病に犯されたヒロイン・浪子と、若き青年将校・武男との悲恋を描いた物語で、明治時代に出版されベストセラーとなった作品だそうです。過去に何度も舞台化されているそうなんですが、オイラは教養がないので、そのあたりについてはまったく知りませんでした。例えるなら、今でいうところの昼ドラみたいな物語だったようです。
舞台ではそのモデルとなった軍人一家と、小説の世界を描いた劇中劇とが交互に展開していき、その対比が実に面白く描かれていました。ところが、中盤を過ぎたあたりからそれまでのにぎやかだった空気が一変し、何やらあやしげな雰囲気が漂い始めます。そしてクライマックス、唐突に訪れる大どんでん返しに、意表を突かれてしまいました。
 
ほととぎすとは、劇中劇で不治の病である肺結核に犯された浪子のこと(咳で口中が血で赤く染まる姿が、同じく口の中が赤いホトトギスに似ていることからの例え)ですが、実は現実世界にももうひとり別の“ほととぎす”な女性がいたというお話。敢えて物語のネタばれは書きませんが、クライマックスのまさかの大どんでん返しには、ほんとに意表を突かれました。と言うか、大どんでん返しそのものというより、そこへと至る展開があまりにも早すぎてそのことに唖然としてしまったのです。
「えっ!?、ここでもうそんな展開になるの!?」
....と驚いているうちに作品は終了。まさにキツネにつままれたような気持ちで終劇を迎えてしまいました。元々短い作品(台本)であったらしいのですが、それにあわせて上演時間も80分間という、かなり短い作品でした。正直もう少し長くてもいいかな?と感じた「ほととぎす・ほととぎす」でありました。
復讐は、やはり蜜の味なのでしょうかね?(^皿^)
 
 
中将婦人を演じた魏涼子さんが、凛とした美しさと、内に秘めたる信念とを見事に演じられていました。作品の途中で、夫である片岡中将(山野史人)が「女に戦争は出来ない」と、女性を見下した発言をした際、アメリカで教育を受けた中将婦人がどうして反論しないのかな?と不思議だった訳ですが、なるほど裏でそんなことを実行しようとしていたのか!という事がわかり、その謎が解けました。クライマックスでの鬼気迫る演技は、とても迫力がありました。韓国ドラマなどでも吹き替えを担当されているだけあって、声の通りもすごく良かったです♪。カッと目を見開いた時の表情もたまりませんでした(^皿^)。
 
語り部的な役回りであったお幾を演じた野々村のんさんの、飄々とした演技も良かったな。
タレ目なのんさんが、とってもチャーミングでした(^皿^)。
 
不治の病にかかった浪子を演じた高橋幸子さんが、妙に艶っぽくて個人的にはグッとくるものがありました。病気の女性って、何故にこんなにもエロチックに映るものなのでしょうか?(^皿^)。こういうのって、男だけが感じるものなのでしょうかね。
 
特に、吹き替え好きのオイラが一番グッときたのは、やはり片岡富枝さんです!。
片岡富枝さんと言えば、日本語吹き替え界において「おばさん声をやらせたら右に出る者はいない!」とオイラが勝手に思ってるほどのおひとりなのであります。
今作でも劇中劇では病気の浪子をいびる義母を憎たらしく演じる一方、モデルとなった人物を演じる時は一転、気弱ですぐ泣く女性をこれまた魅力的に演じられていました。
 
 
「病気持ちを嫁にくれるなんて、まったくなんて不運なんだい!」
      中将湯.jpg
劇中劇では肺結核を患う浪子に対して冷たく接する武男の母であったが、現実の世界ではまったく違う姿を見せる。舞台を見た義母は「私はあんなにひどい母親ではありません〜!」と、中将婦人の前で泣き崩れるのであった。
 
 

 
コラテラル スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

コラテラル スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: Blu-ray

舞台を見た日、偶然自宅で「コラテラル」のDVDを見てたら、片岡富枝さんが吹き替えで登場♪。演じるは、ジェイミー・フォックス演じるタクシー運転手マックスの母親役。正にぴったりな配役でした!(^皿^)。
 

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劇団ハートランド第14回公演「ギラギラの月」を観劇する〜下北沢 ザ・スズナリ [舞台・コンサート]

知り合いが舞台に出るってんで、久しぶりに下北沢へ。
物語は、なんでも女流漫画家の卵たちの話だという。こりゃあ、かつて一度でも漫画家になることを夢見た人間としては、なんとも興味をそそられる内容であります。
楽しみ楽しみ!(^皿^)♪
 
劇団ハートランド第14回公演「ギラギラの月」〜下北沢 ザ・スズナリ
作・演出:中島淳彦
出演:高橋亜矢子、馬場奈津美、梶原茉莉、ふるたこうこ、多崎オリエ、金房実加、花澄、伊藤亜沙美、槌谷絵図芽、and 東てる美
 
【あらすじ】
大泉学園に“大泉サロン”と呼ばれる下宿宿があった。そこには、将来漫画家になることを夢見る女性たちが集って、互いにしのぎを削っていた。そんなある日のこと、激しい雨が降る中、下宿宿にひとりの女性が飛び込んで来た。女の手には“白いヘルメット”と“謎の大きなバッグ”。手塚と名のるその女性は漫画家になることを夢見て、ここ大泉サロンを尋ねてきたのだという。不審に思いながらもとりあえず下宿に住まわせることにした住人たち。
一方、時期を同じくしてラジオからは府中で“三億円”が強奪されたというニュースが流れてきた。犯人は白バイ警官に変装していたという。「そう言えば、手塚も白いヘルメットを持っていなかった?」....挙動不審な佇まい、そして白いヘルメットと謎のボストンバッグ。住人たちは手塚が三億円を強奪した犯人なのではないか?と疑い始める....
 
 
今回の舞台は再演らしいのですが、率直な感想として非常に面白い舞台でした。
物語の基本的なベースは、下宿宿に暮らす女性漫画家の卵たちが繰り広げる悲喜こもごものドラマ。地に足のついた演出は見応えがあり、安心して舞台の世界へ没頭出来ました。そこに三億円事件の犯人とおぼしき謎の女性が絡んでくることで、ドラマはサスペンス風味やコメディ風味の味付けが付け加えられ、小劇場作品としては異例のエンターティメント作品に仕上がっておりましたですよ。
 
若手女優陣に交じって抜群の存在感を見せる東てる美さんが素晴らしい。
時代に取り残されたひと昔前の漫画家(かつて水木しげる先生もやられていた貸し本作歌という設定で、作風も怪奇風味)を文字通り熱演されておりました。東さん演じる山本がドラマのクライマックスで吐露する心の叫びは、そのまま共演している若手女優陣に向けられて発せられたメッセージのようでもあり、胸が熱くなる思いでした。
 
どのキャスト陣もそれぞれにハマり役で魅力的でしたが、個人的にお気に入りだったのは若手雑誌編集者・磯谷を演じられた伊藤亜沙美さん。引っ込み思案の性格のようでいて、自分の意見はしっかりと主張するそのギャップが面白かった。黒メガネ姿もすごく似合っていました。
それと、漫画家の卵・山西を演じられた田崎オリエさんも良かった。ああいう素直じゃない尖ったキャラクターって嫌いじゃない。連載が決まった萩野に対して内心悔しさいっぱいでありながらも友達として「おめでとう」とひとこと言う時の表情がたまらなかった。
 
エンディングのキャスト紹介時のダンスも楽しくて、実に大満足な2時間の舞台でした。
劇場(こや)の大小は関係ない。
良い舞台を見たあとは、幸せな気分になれますな♪(^皿^)。
 
 
劇団ハートランド主宰の高橋亜矢子さん演じる萩野素子のモデルは、もちろん萩尾望都さん
     ギラギラの月.jpg
小さい劇場ながら凝ったセットや、ちゃんと描いてある原稿など、かゆいところに手が届く配慮がポイント高し!。 
 
 
さて、概ね満足のいく舞台ではありましたが、もちろん不満な点がなかった訳じゃない。
個人的に気になった点をいくつかピックアップ。
1:一階のひと部屋が舞台の中心。そのまわりをぐるりと一周出来るような作りになっていましたが、アレはむしろ一周出来ない作りの方がかえって役者陣の動きが制限されて面白くなったのでは?と感じました。
2:漫画家のひとり・萩野を演じた高橋亜矢子さんの髪型がすごく気になった。というのも、彼女の前髪が常に目とカブっており、お芝居の最中、彼女の目の動きがよく見えなかったからだ。“目は口ほどに物を言う”と言います。そのあたりの細かい配慮がちょっと欲しかったですね。
 
劇団ハートランドの次回作は来年5月とのこと。
こちらは新作だそうで、今から楽しみですね♪(^皿^)/
 
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劇団M.O.P.最終公演「さらば八月のうた」を観劇する〜紀伊國屋ホール [舞台・コンサート]

劇作家マキノノゾミさんの主宰する劇団M.O.P.の最終公演「さらば八月のうた」を観劇して参りました。26年間続いた劇団としての活動は、今回の公演を以ていったんとりやめになるとの事。そんな残念な一報の中、今回初めて劇団M.O.P.の舞台を観劇することになったのであります。
果たして、どんな物語が繰り広げられるのか?、興味津々!。
 
劇団M.O.P.最終公演「さらば八月のうた」
作・演出:マキノノゾミ
出演:キムラ緑子、三上市朗、小市慢太郎、林英世、酒井高陽、木下政治、奥田達士、勝平ともこ、白木三保、岡村宏懇、友久航、塩湯真弓、永滝元太郎、美輝明希、塩釜明子、神農直隆、
 
【あらすじ】
2009年。深夜のラジオ局、DJブース内。パーソナリティの神崎カオル(キムラ緑子)と構成作家の柴田陸朗(小市慢太郎)は、今夜もくだらない話で盛り上がっている。そんな中リスナーから送られてきた一通のメールが紹介される。その内容は「どうしても曲名がわからない歌があり、それを番組で調べてほしい」というものだった。構成作家の柴田やスタッフたちは知らないというその歌を、カオルはなぜだか聴き覚えがあった。“謎のうた”をめぐり、物語は時代を遡る。そしてその舞台は戦前、戦時中へと移っていく。
....そこは、船上。船の名前は「寒川丸」。そこには歌手の宮下そら子(キムラ緑子)、作曲家の八代良一(三上市朗)、船員の幾太郎(奥田達士)らの姿があった....
 
 
 
やっぱり、マキノノゾミさんの描く物語は面白いなあ、と再確認した次第。いやホントに。
物語の前半はノスタルジーを醸し出しつつほんわかとした楽しい雰囲気で進むも、一転、物語が後半に入ると俄然ステージ上は緊張感溢れるシリアスな空気感に包まれ出す。この緩急のつけかたがホントに絶妙で、ぐいぐいと舞台の世界に引き込まれてしまいました。
公演時期が八月だからなのか、それとも単なる偶然なのかは定かではないけれど、戦時中の話が出てくるあたりがいかにもマキノさんらしい。エンターティメントの中にさりげなく盛り込まれる強烈なメッセージ。グサリと突き刺さるその問いかけに、観ているこちら側も胸を熱くせずにはいられませんでした。魂を揺さぶられるとは、まさにこういうことを言うのだなと。
 
主演のキムラ緑子さんがとにかく素晴らしかった。
姉御肌のラジオDJ・神崎カオルと、波乱の人生を歩むことになる歌手・宮下そら子双方を、まさにハマり役で熱演。特に周囲の人間たちを振り回しながらも、どこか憎めない存在のそら子の熱演には、完全にノックアウトされました。
 
一方、個人的にすごく魅力的だったのが、三上市朗さん。
テレビドラマなどでお芝居を拝見することはこれまでにもありましたが、生でお芝居を拝見するのは今回が初めて。実に素晴らしいお芝居をされる方だなあと、改めてファンになりました。
 
 
公演パンフレットに載っていたマキノノゾミさんのコメント〜
『最終公演で初めてM.O.P.を観た人が「これだったらもっと前から観とくんだった!」って、地団駄踏んでくれれば言うことなしだな(笑)』
....そう、本公演を観てオイラが感じたことは、正にそれでした。
マキノさん、オイラは今、モーレツに地団駄踏みまくってますよッ!(^皿^;)
こんな素敵な作品を世に送り出す劇団M.O.P.の解散は本当に残念だけど、それでも最後にギリギリ間に合ってM.O.P.の作品を観られたのは本当にラッキーだった!。観劇後の帰り道は、とても幸せに満ち足りたものになりました。
いつの日かこのオリジナルメンバーが再結集することを願いつつ、マキノノゾミさんをはじめ劇団員&スタッフの方々にはひとまずお疲れ様でした!と言いたいです。
そして、素敵な時間をありがとう!
 
 
 
公演の最後はキャスト全員による生バンド演奏。いやー会場が盛り上がる盛り上がる!
キャストを差し置いて、センターでギターを弾くマキノさんが一番ノリノリ♪だったのがすごく印象的でした(^皿^)
      マキノノゾミ.jpg
 
 
会場では、過去に上演された作品の台本がたくさん販売されていました。マキノノゾミファンとしては全部欲しかったけれど、金もないので本公演「さらば八月のうた」の台本のみを購入。舞台を終えられたばかりの小市慢太郎さんと三上市朗さんが売り場にいらっしゃって、小市さんに手渡しして頂きました(^皿^)。「すごく面白い舞台でした!」とたまらず感想を述べると、小市さんは「ありがとう」と劇中の構成作家・柴田と同じ優しい笑みで答えて下さいました♪。
201008091840000.jpg 
 
東京公演は16日(月)まで。皆様にもこの素敵な物語を是非生で体験して欲しい!
劇場へ急げ急げ!(^皿^)/
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劇団、江本純子 vol.3「婦人口論」を観劇する〜東京芸術劇場小ホール1 [舞台・コンサート]

久しぶりの舞台観劇。
今回観に行ったのは、以前舞台でご一緒させていただいた馬淵英俚可さん出演の舞台。
現場で拝見する馬淵さんは、小柄で華奢な女性でしたが、凛とした美しさがとても魅力的で、まさにクールビューティーな方でした。
お話する機会はほとんどありませんでしたが、その佇まいにオイラは普通にファンになってしまったのでありました(^皿^)。約半年ぶりに拝見する馬淵さんのお芝居、楽しみ楽しみ♪。
今回の物語は、チラシを読むと何やら“痴漢”にまつわる話らしい。
題名通り、女性たちの口論も絡まって、これはなかなか面白そうな舞台になりそうです。
期待大!(^皿^)。
 
劇団、江本純子 vol.3 『婦人口論』
作/演出:江本純子
出演:馬淵英俚可、初音映莉子、澤田育子、津村知与支、野村恵里、ノゾエ征爾
【あらすじ】
ユカリ(馬淵英俚可)は友達のエミ(澤田育子)、会社の同僚であり部下のユカコ(初音映莉子)らを誘って、とあるテーマパークへと出掛ける。そこは暗闇の世界を体験出来るというものだった。エミにくっついてきた彼氏気取りの裕一郎(津村知与支)やユカコの友達ユカ(野村恵里)を含めた5人は、パークの案内人であり、実際に盲人であるあつし(ノゾエ征爾)の指導のもと、この一風変わったテーマパークを体験することになる。やがて、暗闇という異世界に放り込まれた彼女たちは、それぞれの思いを互いにぶつけ始める....。
 
 
 
観る前から舞台に対する期待値が高かったからなのか、正直あまり面白くなかったなあ。
馬淵さん、ごめんなさい....(^〜^;)。
暗闇の世界にしても、その中で行われる“痴漢行為”にしても、取り上げ方がすごく表面的で薄っぺらな印象を受けました。どちらもこの作品のキーとなる部分であっただけに、もっと深く掘り下げても良かったのではないだろうか?。
何よりも残念だったのは、登場人物がただただ意味のない会話に終始してしまった点。初音映莉子さんや津村知与支さんらのやりとりはすごく面白かったけど(^皿^)。
主人公ユカリはどうして“闇の世界”を体験出来るテーマパークに行こうと思ったのか?、闇の世界を体験することで何を得ようとしていたのか?、そのあたりをもっと知りたかったし、あつしにしても同じで、盲人である彼がなぜ“痴漢”行為をせずにはいられないのか?、それは無意識なのか?、それとも確信犯なのか?、そのあたりをもっと明確にして欲しかった。ユカリにしてもあつしにしても、そのあたりの人間像が不明瞭で今イチ感情移入が出来なかったのが惜しい。
物語の最後でユカリが不感症だったことをあつしに告白するシーンがあるが、作品を観ていてもユカリにそういった様子はまったく見られず、なんだか唐突な印象を受けました。不感症であるのなら物語の中でそういう部分を前フリとして見せておくべきだし、むしろ不感症のユカリと痴漢行為をはたらくあつしの絡みがもっとあれば、逆にもっと面白い展開になったと思う。
 
物語の中でユカリがいう台詞「見えない世界にいるからこそ、見えるものがある」というのがすごく印象的でした。それこそがこの物語のテーマになっても良かったんじゃないか?って思いました。
ユカリとユカコの友情であったり、或いはくされ縁になってしまっているエミと裕一郎の恋愛模様、それぞれに心の闇を抱えたユカリとあつしの交流など、それぞれが暗闇という異世界におかれた時、互いに衝突し、和解し、そして成長していく....そんな人間模様が見たかったです。
 
 
作・演出の江本純子さんは、今すごく人気がある演出家さんなのだそうだ。
自身の痴漢体験がこの話を書くきっかけになったそうだが、その割にはすごく浅い印象を受けた。本当にトラウマとなっているような体験ならば、もっと掘り下げられるものだし、そうせずにはいられないと思う。
いずれにしても今作「婦人口論」は、オイラの心には何も響くものがなかった....残念ッ!
 
 
 
      チラシのイラストが面白かったので、オイラ流にちょっとアレンジ♪
        婦人口論.jpg 
 
これが元ネタ。某お騒がせ女優をパロディ化したもの。
201007190658000.jpg
作・演出の江本純子さん曰く、その名も“馬尻エリカ”だそうです(^皿^)
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動き回る恐竜たちを生で見られるショー〜「ウォーキング・ウィズ・ダイナソー」が遂に日本上陸! [舞台・コンサート]

今まで映画テレビの中でしか見る事が出来なかった動く恐竜たち。
それが遂に目の前で見られる日がやってきました!。
 
ウォーキング・ウィズ・ダイナソーライブツアー・イン・ジャパン
公式サイトはこちらです!
元になったのは英国BBCで放送されたドキュメンタリー番組だったそうですが、その番組を見て感銘を受けたオーストラリアの企画制作会社が「これをショーに出来ないだろうか?」と企画・制作して作り上げたのが、今回のライブショー「ウォーキング・ウィズ・ダイナソー」です。豪を皮切りに、すでに北米、欧州では成功を収め、満を持して日本での公演となります(アジア初!)。
 
ショーに出てくる恐竜には、映画等でも使用される事があるアニマトロニクスという技術が用いられており、原寸大の恐竜10種20頭がところ狭しと動き回ります。大きいサイズの恐竜は基本的に機械仕掛けのようですが、中には人間の入った着ぐるみ仕様の小型恐竜も出てくるようで、これがより恐竜の動きにリアリティを与えているようです。
本日3月25日(木)、宣伝も兼ねてフジテレビ朝のワイドショー「とくダネ!」にそのライブショーに出てくる恐竜(ティラノサウルスの子供らしい)が出演していましたが、なかなかいい味を出していました。ぶっちゃけ中に入っている人間の足は丸見えだった(構造上これは仕方がない)訳ですが、それは見ていて全然気になりませんでした。むしろその佇まいに「よくぞここまでなめらかに動いてくれるなあ」と、恐竜好きとしては率直に感心してしまいました。
 
ショーは2部構成(約1時間50分)で、恐竜の誕生から絶滅までの壮大な大河ロマンが繰り広げられるとのことで、これはなかなかに見応えがあるかも。既にチケットの先行予約は始まっているようですが、かなり人気が集まっているそうです。グッズ売り場にも恐竜フィギュアとかが売り出されるんでしょうか?....あー、恐竜好きにはたまらんです!。
お金があったらオイラも是非観に行きたいのになあッ!(^皿^;)[あせあせ(飛び散る汗)]
今の子供たちはこういうショーを観られるんだから、本当に幸せですね♪(^U^)。
 
 
 「恐竜は、永遠に男のロマンですッ!」
 恐竜.jpg 
スタン・ウィンストンやフィル・ティペットはこのショーを見たのだろうか?。
恐竜造形で有名な荒木一成さんや、松村しのぶさんの感想なんかも是非お聞きしたいところです。



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